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研究紹介

当研究室では(俗にいうAIのうち)機械学習(Machine Learning),数理最適化から都市の交通,減災,地盤分類,鉄道(運転整理,停止制御),エネルギー最適化問題にアプローチします.

したがって,4つの系のうち,「機械・応用物理系」,「電気・情報系」であれば”対象問題を解くための学習アルゴリズムの開発(アプローチ側)から, また「建築・デザイン系」なら人工生命(ALife)による創発デザインや、マルチエージェント技術による施設配置など,自律分散システムによるアプローチ,アフォーダンスなど人間の意思決定に興味のある方であれば歓迎します. さらに,「応用化学・環境系」の題材としては,化学工学における制御系,エネルギーマネージメントに深く関わっています.

一昔前,インテリジェントxxが流行りましたが,今は,深層学習を全面に押し出したAIブームです.

たしかに大量のデータに支えられ認識力・識別能力は人間を越えたかもしれません.

ただし,認識に基づいた「判断」「行動」についてはどうでしょう.

  • 新エネルギーを作って,それをどう使うのか?(多段計画:逐次意思決定)
  • 乗る人間の嗜好に合わせた自動運転とは?(多目的計画:多目的逐次意思決定)
  • 地盤の脆弱性が診断できても正しい行動ができる?

"Do the Right thing" ―― 私の師匠の一人,Professor Stuart Russellの著書のタイトルです.

Optimal(最適)ではなく,Rightという表現を用いていることに注意すべきだと思っています.

工学的,厳密な閉じた世界では「目的関数を定義し,それを最大化」することをめざします. しかし,実際には不確実,動的変化を伴う世界での行動は,状況に応じて目的を微妙に変更しながら(ハードル上げるも自由,下げるも自由),行動を出力(決定)する.
私の知る限り(勉強不足ならすみません)都市計画の現状は,動的変化をあきらめ,
     ”人にやさしいまちづくり”は”人の嗜好”を勝手に決めているとしか思えません.
最近,”人の心はAIには扱えない”とした言いようのCMも見かけますが,では「あなたにわかる力量があるのですか?」そして「その根拠は?」と問い詰めたい.
 「人にやさしい」設計,計画は,人の目的を可能な限り正しく推定し,その根拠を以て実行に移すべきでしょう.押しつけは真っ平です!

目的の設定メカニズム,誘因を知ることが,当研究室AI研究のモチベーションです.

AI に関する Q & A

機械も人間も含めてみんながスマートになると何が起こるのでしょうか?

  • 自己の利益を最大にする知
  • 所属するコミュニティ,ご主人様の利益優先の知
  • 地球全体の環境復旧を願う知

どの知的レベルをスマートといえばよいのでしょうか?

ここでマルチエージェント系のジレンマ問題の登場です.

当研究室では,「交通,鉄道,エネルギー」を使う人間を含む地球=系(system)全体の利益の落としどころとなる「行動」や「意思決定」法を対象とした研究を展開しています.

個(piece/individual)と全体の双方のレベルで考えるためのメカニズムといえば「協調(cooperation)の創発」が旗印になりそうですが,“大上段に構えた上から目線 ”が大嫌いなメンバーぞろいです.できるだけトップダウンな上からの縛りは最小化したい” というのが当研究室のポリシーです.

“ちょっとした賢さ,融通,臨機応変さの匙加減” 近隣を少し眺める余裕があれば実現できそうだと思っています.近年のソーシャルメディア,クラウドソーシングの普及は「“高度な知識”を“ちょっとした賢さ”で繋ぐ」スマート化の潮流の中で具現化された素晴らしい産物です.これらは、「世の中をよくしよう」というような明治維新の志士みたいな発想から生まれた協調ではなさそうです(だから好き……こんな身近な現象を一つ一つ解明していきたいと思いませんか?

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